東京在住、山の土地を買った(長野県佐久市)

東京に住み、東京に暮らし続けるつもりでいながら、山の土地を買ってしまいました。
今回はそんな話を書こうと思います。
移住ではなく二拠点生活とかデュアラーとかいうやつをやりたいと思っているのですが、現実的にはプライベートキャンプサイトにするようなイメージです。

ちなみに、土地を買ったというと「リッチ!」などと言われるのですが、Macbook Proの方が高いくらいのお値段で取得しました。

この先、これが英断だったと思うのか後悔することになるのか。今後もあれこれ起こったこと、感じたことを書き残していきたいと思っています。
ちなみにいまのステータスは、物件を決めて仲介の不動産屋に申込書を送ったところ。売主が承諾してくれたら各種手続きを経て、早ければ今月中には引き渡しになるはず。
なので、正確にはまだ買っていない。買うプロセスに入ったところ。
→(追記 : 取得プロセスは完了して現在は無事自分の土地です)

場所は、長野県と群馬県の境くらいで住所は長野県佐久市。軽井沢にも比較的近い標高1200mくらいの高原の土地。どんな生活になるのか楽しみです。

なぜ買おうと思ったか

「自分で自由に使えて静かに過ごせる場所が欲しかった」に尽きるのだけれど、コロナ渦で続く引きこもり生活や、人と密になることが以前にも増して辛く感じるようになったことはきっかけとして大きいです。そもそも自分はどんなスペックなのかというと

  • 24年間、横浜の住宅街で生まれ育ち
  • いまは東京のマンション(ローンたっぷり)に夫婦2人&うさぎ1匹と住んでいる間もなく35歳になる♂
  • 仕事は会社勤めで、これまで通信系→教育系→IT系の会社で新規事業企画やらサービス企画やらシステム開発なんかをやってきて、今は人事制度企画・運用をやっています。リモートで全然働けるタイプの人。
  • 何を言いたいのかというと、仕事を通じて山とかアウトドアで活きる何かが身につくことはない
  • DIYやら家庭菜園、ガーデニングなんかもほぼ経験なし
  • 子供の頃、母の実家が農家で長期休暇の頃には遊びに行って山でたけのこ掘ったり、祖父が富士山のそばで過ごすのが好きだった人で、焚き火なんかを一緒にやっていたのが原体験?
  • 数年前に友人に誘われてキャンプに行って以来、趣味はキャンプと名乗るくらいには好きなのだけれど、2-3ヶ月に一度くらいしか行けていない。今年は自粛して一度も行っていない。車は持っておらずペーパードライバー。1人で運転していける自信がなくてソロキャンできないくらいのゴールド免許
  • 休日はNetflixなり、dアニメなり、ゲームや読書などなど、わかりやすいインドア人間

という、山でたくましく生きているような姿とは、だいぶかけ離れた弱々な感じだと思います。
なんなら自分で書いていて不安になります。

家で過ごすのが大好き人間としては、外出自粛はなんの問題もなく、むしろ快適!くらいの気持ちだったのですが、そんな生活が半年近くなってきた頃から、どこかスッキリしない気分が増えてきて「これは気分転換が必要だ」と感じるようになったのです。仕事が忙しかったのもある。

ただ、キャンプが人気になり(自分もブームに乗った1人ですけど)、キャンプ場は混んでいることも多くて、静かに過ごせるかは周り次第の運次第。ベランダにキャンプ道具を並べてベランピングもしてみたものの、側に大きな道路はあってうるさいし、見える景色は、スーパーの休憩室でくつろぐおばさま方の背中……それでもシェードでいくらかマシにはなりました。

画像1
work from verandaの夜の様子

そんなわけで、いつでも自由にいけて、人も少なく静かに過ごせる。
そんな場所が欲しいなという気持ちが強くなってしまい、あれこれ探したのでした。

土地を探した条件

  1. 東京から移動しやすく
  2. お値段お手頃
  3. それなりの広さがあって
  4. 空気が美味しく
  5. 周りが静か

電車1時間くらい+車30分くらいのイメージで、初期費は100万円単位では出せない。でも100坪以上は欲しい気持ち。周りが未利用なら50坪くらいでもいいのだけれど。
ちなみに、キャンプ場の広めの区画は30坪(10m × 10m=100平米)くらいです。

木が多くて深呼吸したくなるような場所で、車の音もしない、隣家との距離がある、そんなイメージです。そこにデッキを作ってテント張って焚火ができれば嬉しいなって。
小屋を建てて物置きつつ、天気悪い時は引きこもって。そんなことができるところを探しました。

すると多くはないのだけれど、100万円以下の土地もパラパラとあるのです。
ただ、だいたいは利用が難しそうな傾斜地です。webの写真だと分からないことが多かったり、そもそも写真が十分にない物件も多い。
ちなみに、500万円ほど払えるなら別荘地で建物もついていて、すぐに住めるレベルのものもわりと手に入ると思います。はじめは友人と複数人での共同所有も考えたのだけれど、それぞれのニーズが微妙に異なって最終結論出すのが難しかったです。

場所は、はじめ栃木県那須塩原市で探していました。友人が住んでいることが一番の理由だけれど、東京から新幹線で1時間で平坦地も多く、那須御用邸があったりする土地柄、駅前も街の景観が整えられていて、観光地もあるし山も近い。

別荘地をいくつか回ってみた所感として、物件は(那須に限らず)、バブル期に分譲された別荘地が
・そのまま放置 or 最小限の草刈りのみで基本的に手つかず
・以前は利用していたがここ5-10年くらいは空き家
みたいなところが多かったです。

値段は売主の状況次第で、正直あってないようなものだと感じました。
まだそこまですぐに手放さなくても良いような場合は、維持する固定資産税も高くなく、特に建物がない山林の場合には1万円もしなかったりする(と思われる)ので叩き売る必要もなく、100万円オーバーの値付け。

一方で相続する人がいない等で早めに手放したいとか、相続したけれど活用しないので管理費がもったいない、という場合は安く出ている傾向があります。最終的には、自分がいくらならOKと思えるか次第かなと思います。

▼最近は100均物件とか、なんなら0円とかもありますね。ジモティーも結構物件が出ています。Suumoとかにもあるし、別荘地だけを扱うようなサイトもありますね。相続とか贈与みたいなキーワードを入れると掘り出し物が見つかりやすい印象です。

建物がたっている物件は、建物自体がどれくらい使えるかというのもあるけれど、個人的には上下水と電気、場合によってはインターネットまで引かれていると価値を感じました。
特にトイレがあるかどうかは大きくて。例えば浄化槽のトイレ工事を自分でする場合、助成金が使える自治体は多いものの、それでも数十万円かかってしまうのです。ただ、これらがある物件は安くても100万円オーバーが多く、今回は選ぶのが難しかったので条件からは外しました。

建物はもともと自分で小屋を建ててみたい気持ちもあったので、なしで良い、というスタンスを決めて改めて探しました。そんなこんなで、結果的には冒頭に書いた物件とご縁がありました。

自分はやや勢いで決めてしまったけれど、待てる人は、もっと自分の条件を絞り込んで気長に待っていると、今はそれなりの値段がついていても、いよいよ手放したいので贈与でも良い(無料で良い)という物件もでてくると思います。バブル期に買った方々が徐々に高齢になっているのもあると思います。

それか、もっと攻める人は現地を見て、欲しい区画見つけたら持ち主を登記簿で探してアタックするのもいいかもしれない(個人間はトラブルになることもあるので、不動産屋を頼る方が良いことも多いと思いますので念のため)

不動産屋事情は詳しくないのですが、十分にマッチングされていない領域だな、という印象を受けました。
というのも、安すぎる物件は仲介会社は扱っても手数料がたいして入らないのですよね。
売主もいろいろ手を尽くすのは手間だし、サンクコスト的にこれまでに負担した費用ベースで値付けして放置していたりするので、結果的には自分のように使いたい人はそれなりにいそうな土地でも、価格の折り合いがつかなかったりするなと。もしくは使っていないけど市場には出てきていなかったりする印象です。
現地に行くと「ここを売って欲しいな〜!」と思う土地も結構放置されている(ように見える)。

周りで「使いたいなら自由に使ってもらっていい土地あるんだよね」みたいな話を聞くこともあったりすると思うんですが、そういう感じなのでしょうね。

買った物件の魅力

場所は、北陸新幹線で軽井沢の隣駅、佐久平駅から40分程度。東京から佐久平は新幹線なら1時間ちょいなので、合計でも2時間弱で移動ができ、車でも東京から2時間半程度でいけそうなところ。
東京からなら下仁田のあたりを通る。
物件の地目は山林で、傾斜しているところも多いものの、現地を見てみると接道している付近は平坦なところもそれなりにあって。高原で空気が美味しく、夜は星も綺麗に見えそうなところが気に入りました。
近くに荒船山というのが見えるのですが、特徴的な形がカッコいい。これに惚れたと言ってもよいかもしれないです。

内山牧場キャンプ場というのも近くにあるのですが、ここの眺望もなかなかのもの。大コスモス園とか周辺の山々への登山とか、カメラ片手に散歩なんかも楽しめそう。
自分は山もたまに登るので、荒船山にも登りに行きたいな。妙義山への拠点にも良いかもしれない。

ちなみに、山荘あらふねの宿泊施設は今年までで終了予定だと不動産屋に聞きました。どこにも書いていないので真偽は不明。
→追記:上記サイトにも終了の旨が記載されました。

標高が高いので冬は雪が降りますが、通行止めになることは少ない様子。佐久市は晴天率が高い土地柄のようです。

キャンプ場は冬は閉鎖しているよう。環境は厳しいけれど、雪景色が楽しめるのもある意味では魅力で、いつかやってみたかった雪中キャンプも自分の土地なら試せるかな。

別荘地内は草刈りなど比較的よく管理されている印象で、所々で小屋やウッドデッキなどを作っている似た趣向の方々がいらしたのも親近感を覚えた1つ。佐久平駅前にはイオンモールがあったり、ベイシアやカインズもあるのでDIYにも困らなそう。下仁田にはコメリもある。

そんなこんなで、車もろくに運転できないのに、勇み足で申込んでしまったのでした。
まずは運転に慣れて現地まで苦なく行けるようにならなければ。

最後に、少し小難しく考えたこともあります。
それは現代の都市生活って快適なのだけれど、持続可能な生活か?と言われると違和感があることも多いですよね。サービス過剰なものってないかな、自分の生活に必要不可欠なものはなんだろう、ってことを、少し立ち止まって考えてみたい、感じてみたいと思いました。

そういう意味では何も無い土地からのスタートで良いし、寒さが厳しいのも悪くない。
今回のこれはただの趣味でなく、自分が思考を深めるための環境投資だと。

と、自分への言い訳を多分に含んでいるですが(笑)、これからどう活用していくか、のんびりと考えていきます。